第二十回 『着眼、着手に間違いがある、岸田政権不支持の急増』
年末になっても岸田内閣の支持率の低下は続いている。
長年の友人である毎日新聞の山田孝男氏が「この支持率低下をどう見るか」と聴いてきたので、僕は思わずこれを”岩盤不支持率”と言ってしまった。勘のいい彼は、これを「その言葉いただき」と、彼が書いているコラム”風知草”で公開した。
学術会議の任命拒否、森友問題、あるいは子息の不行跡などによるマイナスは、財政の大盤振舞いによって消去できるものではない。
他の政策対応では、埋め合わせできないマイナスを、僕は岩盤不支持と言っている。埋め合わせできないどころか、トンチンカンの対応がまた不支持を増加させているのだ。
岸田首相は、12月7日、宏池会の会長を辞すると述べた。これも何らプラスにはならないだろう。
国民有権者から見れば、宏池会の思想的制約から逃げたいように映る。学術会議の問題などは、少なくとも20年前までは考えられない暴挙であろう。自由民主党の党名が泣くような話だ。
岩盤不支持を岩盤支持に変換させることはそんなに難しいことではない。
モリカケ問題、学術会議の問題、あるいは子息重用や世襲氾濫問題に、今までの対応を正面から切り込むことだ。
岸田首相の後に続く首相候補も残念ながら似たりよったりだ。岸田政権よりもっとひどいかも知れない。一連の最近の世論調査では野党にはさらに厳しい調査結果が出ている。既成政治には現状を打開する力がないと受け止められているのだろう。このままでは、政治の構造的凋落に歯止めはかからない。
新しい有為の人材を政治に送り込むにはどうしたらいいか。
暮れのさきがけ塾ではそれを具体的に検討し皆さんと一緒に考えてみたいと思っている。
2023.12.9