目 次
再刊に当たって―私を制約した自民党解体論
序章 青嵐会のゆくえ
1 青嵐会と血判状
血塗られた儀式/青嵐会の姿勢
2 ヤングパワー集団の三つの型
同期会型/同好会型/研究会型/ポーズとしての研究会/未来学ブーム/オリの中の虎児
3 青嵐会の本質
陰性なふんいき/野心家の群/反共イデオロギー/二本の鉄鎖/真夏の夜の夢
第1章 戦後政治史と自民党
1 戦後史の三段階
戦後史のうねり/復興の時代/運命の選択/成長の時代/政治の空位時代/調整の時代
2 自民党の没落
長期低落傾向/二つの落ち込み
第2章 自民党の構造と体質
1 二〇年代の遺跡
構造的凋落/復興の旗手
2 老化
議会の老化/内閣の老化
3 擬似新人の群
相続型と出世型/二世議員の限界/二世議員の背景/見せる男たち/野心家の役割
4 腐食した旧人ピラミッド
旧人ピラミッド/不信の構造/ピラミッドの私有化
5 制度化された派閥
派閥の系譜/派閥の意義/虚飾の祭典/派閥の現状
6 政治資金の配給装置
うなぎのぼりの政治資金/政権の賃借料/自民党の血液/高価な代償
7 自民党政治の性格
構造と体質の子/惰性の政治/追加の政治/演技の政治/応急の政治/力の政治
第3章 危機の時代と既成政党
1 石油危機の教訓
初対面の国家/政治の説得力/国力の本質
2 国家危機の波
この時代の素顔/貿易危機/経済の破局/流体の氾濫
3 自民党の末路
巨象のもがき/甘い小選挙区制論/ふまじめな保守二分論
4 革新政権の限界
咲き競う連立構想/同床異夢/要求主義政権/インフレの昻進/公害の激化と私権の壁/外交の破綻と国際摩擦/〝連立政権〟の本質的限界/持ち札の払底/自社連立の可能性
5 待ち構える右翼ファッショ
ヒトラーの不気味な影/危険な短絡/右翼ファッショの政治基盤/失なわれた良識のとまり木
第4章 責任勢力と批判勢力
1 批判勢力の役割と限界
社会党の功績/社会党凋落の時代背景/マクドナルドのためいき/批判勢力の特性と限界/批判勢力の課題
2 責任勢力の性格
アメリカの「革新主義」/責任勢力の真髄/責任勢力の三つの感覚/失格した責任勢力
第5章 新しい責任勢力の基本姿勢
1 企業の対抗力となれ
見せかけの企業責任論/企業責任とは何か/企業の本質/政治の役割/個人に帰れ
2 対外膨張の抑制力となれ
〝日本人〟への抗議/癒着を断て/抑制力となれ/個別処理の原則
3 新しい国民的合意
古い国民的合意/色あせた絶対価値/世論の建て直し
終章 新人よ自民党解体の斧となれ
1 党内改革への絶望
迷えるハト/「立党の精神」の改定/国民協会の解散/政治家の勇気/宇都宮徳馬氏の心痛/外からの解体
2 解体の構図
解体の斧/「保守系無所属」解体への痛撃/〝全き新党〟の愚/待たれるミラボー
3 新人の論理
制度の蔭り/平均人の衝撃力/位置のエネルキー/ためらいの猶予はない
解題『自民党解体論』復刻について………………五明紀春